生贄の少年と生きた神殿
登場人物
▼アンデ
砂漠の集落に住む少年。
生贄に選ばれ、砂漠を移動する《神の爪先》と呼ばれる生きた神殿を目指す。
神の存在を信じていない。
▼ジグ
謎の女。
砂漠で倒れていたアンデを助け、砂漠を超えた先にある街、祭魏に行こうと誘う。
砂漠を歩き慣れている様子である。
用語
▼神の爪先
時の流れに沿って場所を移動する生きた神殿。
遥か昔、砂の民の祖先が神殿に命を救われたという言い伝えがあり、
そこには砂の神が住んでいるとされ信仰の対象になっている。
実際に神殿を目にした者はほとんどおらず、
その外観や移動ルート、周期等は明らかになっていない。
天上におわす砂神の元へ昇る最初の場所ということで神の爪先と呼ばれる。
▼生贄
十年に一度、砂の民は砂漠で一族が死に絶えぬよう、神に生贄を捧げる。
生贄は神への神聖な捧げ物であり、それに選ばれることは大変めでたいことである。
贄の祝い着を纏ったその瞬間から他人が近づくことは禁止され、言葉を交わしてもならない。
子供は神聖なものを見る力が強いと考えられているため、生贄には子供が選ばれる。
生贄の子供は一人で砂漠を歩き、移動する神殿へ辿り着かなければならないが、
実際に辿り付く事は不可能とされている。
それでも生贄を出すのは、神への信仰心を示すためである。
▼祭魏(サイギ)
東の果てにある街。
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