●=街関連 △=水都関連 ■=森関連 ◇=世界共通 (設定協力/霧崎ray)
●太陽と砂の街 祭魏(サイギ)
大陸の東の果てにある国で、その名にふさわしく、
夏至や冬至には盛大な祭りが執り行われる。
西からの商人たちが行き着く終着点であり出発点。
人種のサラダボウルで、東西の魔術も行き交う場所であり、
怪しげな呪術師や砂漠越えを占うための占い師などがいる。
初めは商人や旅人の宿町であったが、いつしか自警団が発足し、
生活者が増え、自警団が必然的に町を統率することになった。
最も賑わうのが《中心街》、そこから外れると《スラム街》、
さらに治安の悪い《裏地下》、人も寄り付かぬ《汚濁地区》がある。
●円蘭(エンラン)
祭魏の自警団。街を守るために動き、争いや諍いの調停役もする。
戦闘に特化した精鋭部隊を有し、有事の際に出動する。
精鋭部隊は傀儡によって構成されており、
華世の複製体である万李が実働部隊の指揮を執る。
『円の絆は血よりも濃くあるべし』
という初代団長の言葉通り、流浪の民も魔術師も獣憑きも、
等しく血より濃い絆を持つことを信条とする。
●傀儡
面をつけ黒いマントに身を包んだ集団。
基本的に喋らず、素顔を見せない。
●義賊
スラム街で発足したため、所属するほとんどはスラム在住の人間である。
《円蘭》との衝突を避ける目的もあり、基本的にはスラムの人々を守るためにしか動かない。
△水都
水の一族が住まう小さな都で、魔術的に重要な場所に位置している。
白い石造りの都は砂漠地帯のすぐ傍にありながら、
豊富な地下水脈と水の民の力によって、水都全体に数多の水路が走っている。
中心部にある神殿と広場以外は住居と小さな店舗がある程度である。
一族が虐殺されてからは《旧水都》と呼称される。
△水の一族
水都に住まう一族。水霊を崇め、水の魔術を使う。
良き歌や言祝ぎは水を澄ませるという考えから一族はよく歌いよく踊る。
神殿を守り水都の管理を行う《水守》の役に就くのは
一族の中でもごく一部で、名誉なことである。
水守は水霊から授かった力を己の内に留めるため
露出を最小限に抑えるが、それ以外の民は比較的露出が高い。
水の民は成人すると秘術によって己の《影》を分離し名を与え、一生をともに過ごす。
遥か昔から死んだ者や魔の者には影がないとされるため、
水の民のように影を持ち従えることは、自分が生きた人間だと証明する意味も持つ。
「血は水よりも濃く、それ交われば別たれ難し」と言われ、
婚姻の際には互いの血を一滴混ぜた水を飲み交わすという風習がある。
■森
外界との接触を絶った、森の王が統べる獣憑きの集落。
多くが謎に包まれ、一度足を踏み入れた者は入った時と同じ姿で外へ出ることが出来ないといわれる。
森の中には王の統治外である《沼》がある。
◇獣憑き
呪われた血筋で、極まれに生まれる。魔術が使えない。
異形の能力を秘めていて、常人よりも身体能力が非常に高い。
個人差はあれど身体的異常が現れるので、獣憑きが生まれた、
または生後成長とともに発覚した時点で捨てられるか殺されるのことが多い。
◇魔術
魔力を源として《魔術式》を組み立て、超自然的な現象を起こす。
炎を生み出す、水を操る、陣で足場を作る、傷を癒すなど、使い方によって様々なことができる。
人種や血筋、地域によって得意とする魔術が異なる場合も多く、
たとえば水の一族は水の魔術を得意とするが、火の魔術は不得手である。
「魔術は生きている」と言われている。
◇魔力
生き物が生まれながらに体に宿す力。
魔力には個人差があり、質がよく量が多いほど強力な魔術を使ったり、
複数の魔術を使うことが出来る。
昔はほぼすべての人間が魔術を使うことができたが、
時代とともに魔術発動に必要な魔力を持つ人間が減っていき、
魔術式を組み立てることができる《魔術師》も少なくなった。
◇魔術式
自然物を表す記号や模様を合わせて組み立てる。
魔術の発動に必要不可欠で、その様式は芸術的である。
魔術式は基本的に魔力を持つ対象物に刻むことで成立する。
生き物でなくとも美術品や骨董品などの美しいものは魔力を宿すといわれており、
芸術性の高いものに刻まれることが多い。
魔術式は使用者の魔力を求める性質があり、より多くの魔力を吸収しようとその面積を広げていく。
体に魔術式を刻んでいる場合はその部分から広がり、
魔術具を用いている場合は魔術具と密接している身体部分に魔術式が一時的に伝播する。
また、魔術発動時は魔術式が明滅する。これらが、魔術は生きていると言われる由縁である。
◇魔術具(ショートカット)
魔術式を刻まれた物。多くは芸術性の高い美術品や骨董品など。
時計ならば時間系の魔術を強化するなど、
特定の魔術を大幅に強化する例も確認されている。
呪文詠唱によって魔術を発動させる場合とは違い、
詠唱の必要がないためショートカットと呼ばれることもある。
魔術具を用いる魔術は、美術品等に宿る魔力と使用者の
魔力が合わさるため、呪文詠唱よりも強力なものになる。
ショートカットとして刻める魔術はひとつの物に対し一種類である。
所有者は魔術具に常に一定の魔力を供給し続けるため、一人で複数の魔術具を持つことや、
魔術具にあまりにも大掛かりな魔術式が刻まれることはほとんどない。
大掛かりな魔術式を刻んだ場合、魔力を供給し続けられる所有者がおらず使用できない、
魔術具のほうが耐え切れずに壊れる、発動しないなど不具合が発生する。
◇呪文
言葉や旋律として紡がれる口頭の魔術式。
魔術を発動させることも可能だが、詠唱時間がかかるため、
魔術の発動を助けたり、魔術具による魔術の効果を強めるために使うことが多い。
歌や旋律は美術品と同じように発せられた瞬間から魔力を持ち、
既に発動している魔術の強化ができる。
また、ひとつの物に対し一種類しか魔術を刻めない魔術具とは違い、
呪文さえ知っていれば状況に応じて様々な魔術を発動させることができる。
大掛かりな魔術の場合は、魔術式と呪文の両方を必ず必要とするものもある。
◇魔術師
魔術の理を解し、様々な分野の魔術式を識る者を指す。
魔術式を刻むことが出来るのは魔術師だが、
自ら式を組み立てず魔術具を用いて魔術を使う者はあくまで魔術の消費者である。
◇生物に式を彫る
人間を含む生物に魔術式を刻むことは可能である。
しかし、魔力は基本的に内から外へ流れ、外から内へ入ってくるものなので、
己を魔術具として内でのみ循環させ続けることは本人の負担になる危険がある。
また、人体に式を刻んでくれる魔術師を探すのも難しい。
大抵は装飾性の高い骨董品や武器など、
身近なものを魔術具にすれば事足りるのでやる人はあまりいない。
芸術性の高い刺青や化粧などでも、魔術の力を高めるとされる。
◇属性と象徴
木は守護の壁を侵食し 土は生命を還す
水は激しい暴力をも飲み込み 火は創造物を焼き払う
金は古代の知識を与え すべては生と死を繋ぐ
という古代の教えが語り継がれている。